2025/12/20 13:57
ウィリアム・モリスの生地で仕立てたカーテンをお届けしました。
今回お届けしたのは、ウィリアム・モリスの世界観を存分に楽しめるカーテンの施工事例です。

メインとなる掃き出し窓には、ウィリアム・モリスを代表するテキスタイルのひとつ、「いちご泥棒(Strawberry Thief)」 の生地をお納めしました。
このデザインは1883年に制作されたもので、草花の間を行き交う小鳥と、愛らしいいちごのモチーフが印象的な柄です。当時モリスが暮らしていた住まいの庭で、鳥たちがいちごをついばむ様子から着想を得たとされています。
「いちご泥棒」は、インディゴ抜染プリントに藍色以外の赤や黄色を取り入れた、モリス最初のテキスタイルとしても知られています。各色ごとに染め、抜き、刷るという複雑な工程を重ねる必要があり、完成までには高度な技術と長い時間がかかりました。そのため、当時のモリス商会の中でも特に手間がかかり、高価な生地だったと伝えられています。

それでもなお、この豊かな色彩と奥行きのある表情は多くの人を魅了し、発表当初から高い人気を集めました。現在に至るまで、モリスを象徴するパターンのひとつとして、世界中で愛され続けています。
窓辺に掛けることで、物語性のある自然の世界が空間に広がり、暮らしの中にさりげない華やかさと深みを添えてくれる一枚です。
赤を基調とした配色のため、写真やカタログで見ると少し強い印象を持たれることもありますが、実際には彩度を抑えた深みのある赤に、ブルーや生成りが重なり、空間に取り入れると不思議と落ち着きを感じさせてくれます。

カーテンレールは、TOSO のノルディをご採用いただきました。木の温かみと質感を大切にしたデザインで、今回のモリスのように柄の強さがある生地とも相性が良く、床や建具と色味を合わせることで、空間全体に落ち着いた統一感をもたらしてくれます。
別の窓には、同じくモリスの生地を使ったシェードをお納めしました。
お選びいただいたのは「ケルムスコット・ツリー(Kelmscott Tree)」。
大きく枝を広げた樹木を中心に、草花や小鳥が描かれた、生命力を感じさせるデザインです。

この柄は、ウィリアム・モリスが晩年を過ごしたケルムスコット・ハウスの寝室用カーテンに用いられていた刺繍作品をもとに、現代のモリススタジオによって再構成されたもの。オリジナルの精神を受け継ぎながら、インテリアファブリックとして使いやすい表現に仕上げられています。
シェードは生地をフラットに見せることができるため、枝葉のリズムや鳥の配置、線の美しさがより素直に伝わります。ウィリアム・モリスの生地は、暮らしの中で少しずつ深みを増していく存在だと感じています。これから先、お住まいの時間の積み重ねとともに、より味わい深くなっていくことを願っています。
ウィリアム・モリスのカーテンは、色柄が豊富な分、空間との相性や分量の見極めがとても大切です。実際の生地感や仕立て上がりのイメージを確認しながら、窓に合ったご提案を行っています。ご検討中の方は、どうぞお気軽にご相談ください。
MORRIS BRAND SITE
https://www.wmorrisandco.com/uk/
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